人をはぐくみ、豊かな森を次世代へ。

「大阪の林業」と聞いて、パッとイメージが湧く人は少ないかもしれません。しかしながら、大阪の人工林の割合は全国で 16 位と意外に高く、思いのほか林業が行われている地域だと言えるでしょう。 そんな大阪の林業の一旦を担うのが、河内長野市にある南河内林業です。南河内地域を中心に、大阪北部や京都、和歌山などの山林で業務を行っています。

大阪の林業

この日は、社長の仲谷貴紀さんに葛城山の麓の山林を案内してもらいました。 仲谷さんはこの道 20 年の大ベテラン。4 年前に先代から会社を引継ぎ、現在は 7 名の社員を抱えています。高齢化の進む林業界においては珍しく、メンバーは 20 代~ 40 代の若手が中心です。 「若い子らに興味持ってもらえるように、色々工夫してますね」と仲谷さん。南河内林業で請け負う業務内容は幅広く、木材の伐採・搬出から造林・育林業務、作業道開設や調査・測量など、山に関わること全般に及んでいます。

若手チームの吉川さん(中)と杉原さん(右)はともに 20 代前半

社長に就任してからは「若い子らにヒマさせんように」と、どんな仕事も請け負うスタイルを貫いてきました。かつては季節で業務量が異なることが離職の要因にもなっていましたが、現在は年間を通じて安定して業務があり、おかげで若手の育成も実現できているそうです。

南河内林業

重機を使って切り出した木を集積所に運ぶ作業です。巨大な重機を巧みに操り、 協力しながら木々を積んでいきます。頼もしい二人の活躍と迫力ある作業に思わず「カッコええなぁ...」とつぶやいてしまいました。

南河内林業

若手が運んできた木を、長さや太さごとに分けて集積所に積み上げる仲谷さん。見るからに重そうな木々があっという間に整理されていく様子は圧巻です。熟練したプロの技術に感じいりました。

南河内林業

「大阪の林業」の現在、そしてこれから。

南河内地域の木材の特徴は、まっすぐな木目と緻密な年輪、ほんのりピンクがかっ た木の色にあります。大阪南部の山林は金剛山や葛城山を挟んで奈良県と接しているため、吉野林業との関りが深いのだそうです。事実、この山林でも吉野と同様に密植(木目を美しくするための植林技法)が行われています。 また植林の歴史も古く、約300年前から植林が行われてきました。現在、山には 樹齢100年を超える古木も多数あるそうです。

南河内林業

山本来の地形を活かし、環境を荒らさない「大橋式作業道」

木を植えてから木材として出荷できるようになるまでに何十年もかかるのが林業の特徴です。今ある森林は、先人たちが残してくれた大切な財産だから、子や孫の世代にも豊かな森を引き継いで行きたいと、仲谷さんは言います。現在は、山中の環境保全に配慮した作業道開設や、造林・育林への取り組みのほか、製材所への直売など、林業の未来を見据えた様々な取り組みを行っているそうです。

南河内林業

「〇〇くんをどう育てようか」「△△さんが入社して雰囲気が変わった」... 仲谷さんから、若手社員の成長に関することをたくさん伺いました。言葉の端々 に彼らへの愛情を感じます。林業が、世代を超えて自然と向き合う仕事だからこそ、それを担う人材も丁寧に育てていく必要があるのだとわかりました。

南河内林業

「今は大変な時代やけど、チャンスでもあるんですよ」と仲谷さん
消費者の関心の高まりから、自分たちが使う木材の産地を知りたいというニーズがあるそうで、実際に森林を訪れる人も少なからずいるんだとか。町から近い場所にあるというのは大阪林業の大きな特徴のひとつ。今後は情報発信を強め、製材所や工務店などと連携しながら、エンドユーザ―との直接的な繋がりを強めていきたいと、展望を語ってくれました。

南河内林業

シカや野ウサギたちが暮らす森林が、大阪市内から車で 1 時間の距離にあること。また、その豊かな森林を守り、木々に生かされるという林業の在り方が、 私たちに様々なものを気づかせてくれました。
「木を育て、人を育てる」。

その営みが数百年間も続き、私たちの生活に繋がっているという事実に驚くばかりです。仲谷さんたちが守り育ててくれた大切なものを受け取り、それを必要とする人へと届けていく。大信製材の新たな使命です。

株式会社 南河内林業
大阪府河内長野市高向 2230-1
http://minamikawachi.co.jp/

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